匠’s Blog

LEXUS LX600リヤハッチドライカーボン化   ~TEAM JAOS BAJAチャレンジ~

オフロード界の老舗と言えば株式会社JAOS(ジャオス)さんね。

オフロードを全く知らない僕でさえJAOSさんは知ってたさ

なぜ知ってるか?って、車高短で爆走してた若かれし頃、

それに反し、やたらと車高の高いランクルとか走ってて潜れるんじゃないか!?

潰されちゃうんじゃないか!?と思ったからさ

凄ぇ威圧的に走ってて正直ベンツとかより恐かったんだよ(^^);

 

そんな縁のないであろうと思っていたカテゴリーからご依頼がありまして

熱意を感じお仕事させて頂くことになりまして

4月の後半に連絡頂きまして、概略内容をお聞きしたのですが全くピンと来ず、

群馬県から直接お越し頂くことに。

来たよ!来た!凄んごいのが!

間近で見てビックリしたよ

サイズ感も物凄かったけど、オフロードの過酷さを感じる車両の造り込みが凄かった!

来店されたのはジャオス開発部社員兼プロドライバーの能戸さん

TOYOタイヤさんのSNSなどで見たことある優しい感じの本気な方でした♪

 

 

「パリダカみたいなレース?どんなレース何ですか?」って聞いたら

って、もっと過酷なレースみたい

BAJA1000チャレンジってレース

メキシコのBAJA(バハ)カリフォルニア半島内に設定された千数百キロのオフロードを

ノンストップで走りきる弾丸レースだって(・・);;;

JAOSさんは「JAOS × LX600 “OFFROAD”」プロジェクトとしてチャレンジ

3年計画の3年目

本気度MAXで

唯一軽量化が許されるリヤハッチをドライカーボン化したいとの事

 

話し聞いててサーキット、アタック車両とは違い何トンもの重量級マシンが

予想できない悪路だったり、凹凸でジャンプしたり、

そんな条件下で自分の造る製品は耐えられるのか?

ただ軽ければイイってもんじゃないだろーし、、、、

正直ちょっと対応を躊躇したが、興味もあったし、学びにもなるし、

お受けしました。

って、話しだけのつもりで来店するのだと思いきや、能戸さん、メンテナンス中の

車両をわざわざ積載車に載せてきて、断れないよね(笑)

 

そんなこんなでLEXUS LX600のマスター新品パーツをお預かりして

製作の条件は

ガラス一体化、リヤスポイラー及びその周辺部分一体化、リヤパネル一体化

させて可能な限り軽量化

おのおのパーツを計測しました。純正約24kg、アルミ製のパネルでした

これを何キロに出来るか?6~7kgで納めたいなぁ、、、と予想しながら作業開始

他の作業もあったので直ぐには着手出来ませんでした

ぼちぼち開始したのが1ヶ月過ぎた6月8日頃

先ずはおのおのパーツの一体化

接着剤やらワーカブル樹脂やらパネル成形やらマスター型製作

インナーはフラット化しガラス周りに接着フランジを設置しました

型製作

もう既に酷暑で、、、早朝と夕方に張り込みしたさ

ひっくり返してアウター型開始

ここで問題発生!

アウターパネルのを一体化するのが形状的に、日程的に難しい

能戸さんに状況説明し分割する事に。

まぁまぁ大きかったなぁ・・・

3型完成は7月15日

早速プリプレグ張り込み

やぁ~悩んだね

積層構成。

悪路走るマシンが夢に出てきて、軽すぎて飛んでっちゃったり、クラック入っちゃったり、

不安いっぱいで

なので、過去のノウハウ+αで積層構成決めました。

7月23日 取りあえず無事に焼き上がりました

脱型して持った瞬間「ヤバ、、、重いかも、、、」

 

さぁここから合体作業だ

作業場が狭いので大きい部品のトリム作業は大変だ

途中で仕様変更したアウターパネルの位置出し。精度確認もしたが問題なし

合体!

アウター側

インナー側

さてさて気になる重量は8.6kg

あぁ・・・予想より重かった

純正品総重量が約24kg

差し引き24.0ー8.6=15.4kgの軽量化になりました

能戸さんは15.0kgの軽量化を見込んでおり取りあえずは合格でした(^^);

まぁサイズ的にも剛性確保的にも限度的な重量だったと思いました。

引き取り頂き、プリプレグ型3型と純正パネル類とプリプレグ製品を納品させて頂きました。

 

 

 

海外車両搬出前に国内テストをするとの事で納期はまぁまぁ厳しい状況でした

が、8月末の最終テスト期日前の8月4日に納品できました

あとは

テストで実走して不具合発生しない事を願いつつ。

本戦でゴール目指して頑張って下さい!

本戦日

11月15日(現地時間)がスタート日となり、

約1,000マイル(約1,600キロ)先のゴールを約30時間かけて目指します。